「大学見本市2024~イノベーション?ジャパン」に出展しました

 令和6年8月22日(木)~23日(金)、東京ビッグサイトにて開催された「大学見本市2024~イノベーション?ジャパン」(主催:国立研究開発法人科学技術振興機構(JST))に分子化学系 吉田裕美 教授が出展しました。

 本イベントは、JST主催により2004年から開催されており、全国の大学等機関から創出された研究成果の社会還元?技術移転を促進すること、及び実用化に向けた産学連携等のマッチング支援を実施することを目的とする、日本最大級のマッチングイベントです。会期中は、大学等における5分野281件のシーズ展示に加え、144の出展者が、特設会場でプレゼンテーションを行いました。

 吉田教授は、「電解質濃度を利用したリポソームにおける薬剤の濃縮?放出」と題して、パネルや映像、実物の展示による研究内容の紹介や、プレゼンテーションによる研究成果の発表を行いました。

 吉田教授の研究は、糖のみを含むリポソームの外側に、NaCl (塩化ナトリウム)などの電解質を添加することで、カチオン性薬物を自動的にリポソーム内部に濃縮したり、逆に、外側の電解質を希釈することで、濃縮されたカチオン性薬剤をリポソームから放出することを可能としたものです。用いるリポソームは、一般的な中性脂質とカチオン性脂質から構成されたもので、特別な分子を使いません。現在、アントラサイクリン系抗がん剤であるイダルビシンを、高効率にリポソーム内に濃縮することに成功していますが、リポソーム以外にも適用可能であり、化粧品?食品などへの活用も期待されます。

NaCl添加によるリポソームへの薬物濃縮

 本展示会全体で11,001名の来場者が訪れ、本学出展についても、多数の企業担当者との活発な情報交換が行われ、将来的な産学連携への発展が期待できる機会となりました。

  • 会場の様子

  • 吉田教授のショートプレゼンテーションの様子

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