第4回OPEN TECHシンポジウムを開催しました ‐SGU事業‐
(テーマ:HIV/AIDS関連の構造生物学的研究の最近の動向)

 平成28年8月26日、本学の「OPEN-TECH INNOVATION」(スーパーグローバル大学創成支援(SGU)事業)では、平成28年度第4回OPEN TECHシンポジウムを開催し、コンソーシアムメンバー、他大学および本学の学生や教職員など21名の来場がありました。

 今回は、ピッツバーグ大学の伊島理枝子氏をお招きし、「HIV/AIDS関連の構造生物学的研究の最近の動向-米国ピッツバーグ大学の大学院の教育研究と地域産業振興の取組み-」についての講演を行いました。
 講演の前半で伊島氏は、HIV/AIDSの基本的な発症メカニズムを説明した後、エイズ薬剤の作用機序について関連タンパク質の構造に基づいて解説し、現在の薬剤開発の問題点について説明されました。また、米国国立衛生研究所(NIH)のHIV/AIDSプロジェクトの現在の進行状況について多面的に解説され、ピッツバーグ大学のグループで行っている構造生物学の研究事例について紹介されました。その後、HIVウィルスのRNAをDNAへと逆転写する酵素の4次構造がhomo-dimerがhetero-dimerへと変化するメカニズムについて核磁気共鳴(NMR)法を用いて明らかにした最新の研究成果を詳しく講演され、聴衆の方から薬剤開発の観点から質問が出て活発な質疑応答がなされました。
 後半では、ピッツバーグ大学の大学院教育とアメリカ東部での最大の機器分析展であるピッツバーグコンファレンス(PITCON)を通しての産学連携の実際とノウハウについて講演され、米国の大学院教育と大学運営における財務?法務部門の働きや、国の予算獲得、寄附金集めの実際について解説されました。PITCONの運営?開催において大学が果たす役割と、地方産業や地域社会への貢献の重要性など、本学にとって参考となるような事例を数多く紹介していただきました。

  • 伊島理枝子氏伊島理枝子氏
  • 会場の様子会場の様子