所属 | 機械工学系 |
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氏名?職名 | 山川勝史 准教授 |
専門分野 | 流体力学 |
期間 | 平成28年4月3日-平成29年3月23日 |
滞在先 | ウォーリック大学(イギリス) |
イングランドの中央辺りコヴェントリー市に位置するのが、創立約50年の英国では比較的新しい総合大学ウォーリック大学(University of Warwick)です。全英最大の敷地面積(松ヶ崎キャンパスのおよそ60倍!)を誇る巨大なキャンパス内に学生寮、レストラン、パブ、スーパーマーケットから病院まで日常生活に必要な施設はほぼ全て揃っています。学生数は約2万人(内留学生が5千人)、職員5千人、教員千人といった構成で留学生と職員の多さが特徴的です(留学生が生活しやすい環境が整っているからとも言えます)。学年は10月スタートで10weeksの学期が2つとreview&exam学期が1つの計3学期で構成されており、1回の講義時間は60分/コマと学生が集中しやすくなっています。講義にも参加させて頂きましたが、授業中の学生からの質問も多く、講義終了後には講師の周りに人だかりが出来質問が途絶えません。兎に角学生が積極的で驚きました。歴史の重さを感じることができるケンブリッジ大学やオックスフォード大学とは異なり、自由で近代的な総合大学ですが日本とは全く違う雰囲気ではあります。
計算流体力学を専門とするウォーリック大学における私の受け入れ教員Dr. Yongmann Chung (以降、ヨンマン先生)の研究グループは、流動的ではありますがポスドク、博士課程、修士課程の学生らにより大凡10名程度で構成されています。シミュレーションが主体の研究室ですので各ポスドクや学生は各々独立したテーマを持ち、日夜研究を続けています。この時期は修士論文の締め切りとも重なり、学生らは徹夜続きでした。この辺りは日本と同じですね。さて、ヨンマン先生とは各自1回/週の研究ミーティングおよび全体セミナー1回/週によって進捗報告と方針確認を行っています。それ以外にも日に一度は学生の研究室に様子を見に来られるので、学生にとっては非常に細かな指導を受けることができる環境だと言えます。
渡英後この5カ月間に立ち上げた共同の研究プロジェクトは3つあります。各々得意とする技術分野の融合により実現可能なもので、特にその中の一つは英国企業も巻き込み大きく発展できそうな内容になりつつあります。またどのプロジェクトもスパンが長く(最短で3年程度)なりそうなので、帰国後も両研究室両校両国との良き関係保ちつつ共同研究を行っていく予定です。研究のパートナーとしても良い先生と巡り合えて非常にラッキーだったと思います。
本教員派遣の主目的は英語による教育力の向上および本学との教育連携の強化であります。まず前者については、週1回のセミナー時に英語による発表機会を与えて頂いています。先生からは発表時にはアドリブを皆無にし、徹底的に文法に沿った英語を話すよう指導されています。またネイティブ学生1名の直接指導員を任され、研究の進捗も大事ですがそれ以上に英語指導能力の向上に役立てています。一方後者につきましては、書類上の手続きは必要ですが、来年度本学における講義の共担についてヨンマン先生よりご快諾頂きました。本学大学院講義の一部分をウォーリック大学院講義に置き換え、実施頂く予定です。今後も継続的にこのような実績を積み重ね、より強化な教育連携が出来ればと考えています。
コヴェントリー市はイングランドで1番大きな都市ロンドンまで電車で1時間。2番目のバーミンガムまで20分の距離にあり、またオックスフォード、バース、コッツウェルズ地方、またヨークまで日帰り範囲内にあります。そのため週末は兎に角バスや電車に飛び乗って日帰り旅行を楽しんでします。また年間の半分位を海外出張されているヨンマン先生ですが、こちらにおられる時は毎週のように何処かへ連れて行って下さいます。イギリスでは食事が不味いとよく言われますが、実際には『とびきり美味な代表的なイギリス料理が無い』ということのようですね。英国内でもイタリア料理やインド料理など美味しいものは数多くありました。食事は自炊が中心ですが楽しい食生活を過ごせています。
そろそろ折り返しの時期ですね。本事業により貴重な経験をする良き機会を与えて頂いたことに感謝しながら、残りの英国生活も充実したものにしていきたいと考えています。また私を支えて下さっている本当に多くの方々にこの場をお借りして御礼申し上げます。